2013年4月25日木曜日

南宗寺

南宗寺は大阪府堺市堺区にある臨済宗大徳寺派の寺院で三好氏の菩提寺。山号は龍興山。開山は大林宗套、本尊は釈迦三尊である。茶人の武野紹鴎、千利休が修行をした、ゆかりの寺であり、沢庵宗彭が住職を務めたこともある。堺の町衆文化の発展に寄与した寺院である。
○歴史
弘治3年(1557年)当時、畿内髄一の実力者に上り詰めた河内飯盛山城主・三好長慶(みよしながよし)が非業の死を遂げた父・三好元長の菩提を弔うべく、大徳寺90世の大林宗套に開山を依頼して、創建したものである。創建当時は堺市宿院町付近にあったと伝える。天正2年(1574年)の松永久秀の兵火で焼け、さらに慶長20年(1615年、7月に元和と改元)の大坂夏の陣では堺の市街とともに焼失したが、その後、当時の住職であった沢庵宗彭によって現在の場所に再興された。現存する仏殿、山門などは沢庵の没後、17世紀半ばに整備されたものである。太平洋戦争の空襲で一部の建物を失ったが、境内は江戸時代の禅宗寺院の雰囲気をとどめている。大坂冬の陣において、徳川家康が後藤又兵衛に槍で刺されて落命したという伝説があり、密かに家康をお祀りしたとされている。
○境内 [編集]仏殿 承応2年(1653年)建立の禅宗様仏殿。入母屋造、瓦葺き、一重裳階付き(1階建てだが屋根は2層になっている)。内部は石敷きの土間で、中央仏壇上に本尊釈迦三尊像を安置する。山門、唐門とともに1993年12月、国の重要文化財に指定されている。
唐門 仏殿の右方にある小規模な門で、仏殿と同時期の建設と思われる。
山門 甘露門とも称する。三間一戸、入母屋造、本瓦葺きの楼門。上層軒裏の扇垂木、柱に粽(ちまき)を設ける点などに禅宗様がみられる。正保4年(1647年)の建立。
建造物は他に総門、鐘楼、禅堂、坐雲亭、方丈、実相庵などがある。茶室実相庵は千利休好みと伝えられ、1963年に再建されたものである。また、方丈の枯山水庭園は古田織部の作と伝えられ、国の名勝に指定されている。
境内には他に、徳川家康のものと伝えられる墓・武野紹鴎の供養塔・千利休一門の供養塔・三好一族の墓所・津田宗及一門の供養塔・中井芳滝の墓などがある。
○札所
和泉西国三十三箇所 客番
○交通
阪堺電気軌道阪堺線御陵前駅下車
○所在地
大阪府堺市堺区南旅篭町東3-1-2








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