2014年12月27日土曜日

普門寺

普門寺は高槻市にある臨済宗妙心寺派の寺である。釈迦如来象と十一面千手千眼自在菩薩像を本尊とする。明徳年間(1390~94)に、現在の本照寺がある所に、説厳が創建したと伝えられている。1561(永禄4)年管領細川晴元が出家して寺に入り、現在の堂宇が建てられた。のちの室町幕府14代将軍足利義栄が、1566年から2年間、織田信長によって四国に追われるまで滞在したことから、別名、普門寺城と呼ばれた。寺はその後衰退したが、1617(元和3)年に龍渓が入山し、方丈や諸堂を建立し、中興した。1655(明暦元)年に龍渓の招きにより、明の高僧隠元が長崎から普門寺に迎えられ、山城の宇治に黄檗山万福寺を開山するまで、約6年間とどまった。境内の庭園(国名勝)は、観音補陀落山の庭と呼ばれる江戸時代初期の枯山水庭で、玉淵の作とされる。北方の阿武山を借景に、枯滝を組んだ池泉式である。庭園北西側には、この地で没した細川晴元の墓と伝える宝篋印塔がある。方丈(国重文)は、1982(昭和57)年の解体修理により、建造当初の姿に復元された。方丈には、隠元の筆になる「獅林」の大きな衝立や狩野安信の水墨画が伝わっている。
所在地:大阪府高槻市富田町4-10-10







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