2017年3月19日日曜日

輸出繊維会館

大坂を拠点に数多くの名作を設計した建築家・村野藤吾の技が冴える。といっても、一見すると派手さのないビルらしい外観なので、多くの方が気にせずに通り過ぎてしまうかもしれない。しかし、目を凝らせば、直線的なイタリア産トランバーチンの壁と、きらりと光る角を丸めたステンレスサッシの取り合わせに、レトロ感と未来間が不思議に交じり合っている。西側に張り出した玄関庇や、内部の手すりも繊細な造形。内部の壁画は「万邦交易」を表現している。こうしたアーティストとのコラボレーションも村野のお家芸だ。大坂の繊維輸出業界が生み出した、時代を超越した会館である。
所在地:大阪府大阪市中央区備後町3-4-9
建築年:1960年



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